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2020/06/12 配偶者居住権

本コラムでは4月1日に施行された「配偶者居住権」について解説します。

「配偶者居住権」とは、被相続人の配偶者が、被相続人の財産に属する建物に相続開始の時に居住していた場合に、遺産分割または遺贈により取得する、その居住していた建物の全部について無償で使用・収益する権利をいいます。要するに今まで住んでいた住居に相続開始後もそのまま住める権利のことです。

相続が開始すると被相続人の財産を承継する遺産分割という手続きをしなければなりません。その際、居住していた建物が被相続人の所有であった場合には遺産分割の対象となり「相続人で分ける」という作業が必要になってきます。他の遺産もあるでしょうから、それらとの兼ね合いで「分け方」を決めていくことになります。場合によっては居住不動産を全て換価して分割しなければならなくなるような事態にもなり得ますので、”遺された配偶者の生活基盤の確保”という点でこれまで問題視されてきました。売却とはいかなくても遺された配偶者が住居を相続し、預貯金を他の相続人が相続するというような分割にもなりやすく、この場合、遺された配偶者が相続する預貯金が無い、又は少ない、ということになると生活資金として、”遺された配偶者の生活基盤の確保”という点でやはり問題視されてきました。
「配偶者居住権」は、遺された配偶者が、住み慣れた居住環境で生活を継続するために権利を確保しながらも、生活資金も一定程度確保することで、全体として”配偶者の生活基盤の確保”を実現させるための手段の一つとして新設されたものであると言えます。
だからといって、使えばいいということではなくて、「配偶者居住権」は基本的に遺産分割等における選択肢を増やす趣旨のものであって、利用するに相応しいか否かを判断し、相応しくない場合には利用すべきでないということが前提とされています。

被相続人とその配偶者といっても、何十年も苦楽を共にし、先祖代々の財産を守りながらも自分たちの財産も築いてきた、というような場合もあれば、再婚、再再婚、国際結婚など、様々な形態があります。そういった中で個々の状況に応じて、所有権取得なのか、配偶者居住権の利用なのか、メリットやデメリットも把握しながらよく話し合って決めていく必要があります。

所有権との関係でいえば、所有権を取得することに不都合がなければ、権利の性質上、配偶者居住権より優れているので、所有権の取得が望ましいとも思えますが、配偶者居住権の取得を選択した場合には、所有権より評価額を低くすることによって預貯金等の他の遺産の取得を容易にする効果が期待されます。
前述の通り制度利用にあたり、各状況によって向き不向きもあり、また「配偶者居住権」は取得要件やその他の細かな規定があります。自分たちにとってどのような選択肢がベターなのか、お気軽に東京相続ドットコムにご相談ください。



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